<番外編>【君の膵臓をたべたい】は何を伝えようとしているのか?④〜そして、山内桜良へ捧ぐ〜


4回目であり、ラストでもある。 


ただ、このラストというのは、原段階の僕の理解度に対してのラストだ。 

多分、何度かこの「君の膵臓をたべたい」は読み返す事になるだろうが、 

その度に新しい思いが生まれてくるだろう。 


ちなみに、次回は番外編の番外編としてこの作品の場面を切り取って 

「これはどういう事なんだろう?」と謎を解く感じの楽しいブログを書こうと思っている。 


そして、その後は、いつも通り、アイドル系のブログに戻ります。 

でも、桜良の事は忘れたくないので、度々書いていくと思います。 


今回の内容に関して、出来るなら、 

いや、本音を言うなら、本を読んだ事のない人、

そしてこれから読もうとしている人は絶対に読まないで欲しいというのがある。 


ここは実際に作品で体感して欲しいのだ。 


その後から、これを読んでも遅くない。 

頼むから作品を読んでからこれを読んで欲しい。    


では、いきましょうか。


<<衝撃の展開。予測するのは不可能>> 


 あの部屋での甘く切ないやり取り後に、彼女は入院をしてしまう。 


膵臓の数値に変化があったか何かで、彼とのお見舞いシーンがあるのだが、

まぁ、桜良に関しては相変わらずで、彼が勉強を教えて、彼女は手品を披露する。 


そんなやり取りがしばらく続く。 


 手品は、あの旅行の時、大道芸に感動した桜良が 

「1年、時間があれば、それなりな事は君も出来るようになるんじゃない?」と 

彼がアドバイスした事がきっかけだった。 


病院に入院したという展開は僕たちをドキっとさせるが、

実はこの場面中に、例えば、桜良の容態が変化するみたいな事は起こらない。 


心の何処かで僕自身もそうならない事をホッとしていた。 


 途中で、親友さんこと恭子も見舞いに来て、また彼と恭子には 

不穏な空気が流れるのだが、恭子はとても桜良を大事に思っている。 


この病室シーンは、彼が彼なりに桜良に勉強を教え、桜良が彼に手品を披露する。 

間に苺を食べ、ミカンを食べ、お馴染みの会話の攻防戦が行われる。 


 その会話の中で、もっと君の事を皆が理解すればいいのに。 

君が凄くいい人だって皆が分かればいいのに。と桜良は言う。 


 そして、<「仲良し」君、勉強教えるの上手いね。教師になりなよ!> 

という桜良の言葉に戸惑う彼。これが実は来年の実写化に繋がってくる。 


その後、入院中の彼と桜良の話の中には、後々、共病文庫に 

描かれていた真実によって分かるシーンもあるのだが、 

「なんで、桜って春に咲くと思う?」その桜良の言葉は泣ける。 


 2週間延びた入院を終え、彼と桜良はカフェ(喫茶店かも知れない) 

 で待ち合わせをする。 


海に行く約束をしたみたいだ。 

ここから怒濤のラスト、号泣シーンの連続だ。


ここで、考え方を変えさせて欲しい。 

しばらく考えた上での決断だ。ここから先は本を読んで欲しい。 


 僕の文章で全てを伝え切るのは不可能だ。それにはあと数ヶ月の時間がいる。 


だからこそ、ここから先は本音を言えば書きたくない。 

いや、書けないと言うべきかもしれない。 出来ないのだ。


ネットで検索すれば、ネタバレでいくらでも 

この展開は出てくるだろうが、僕のブログを読んだ方に関しては 

作品で確かめて下さい。気持ちが強すぎて書くのが辛いです。 


なので、ふんわりとだけ、書いておく。

彼の中では桜良は特別な存在になっていた。 


それは、恋なのかもしれない。 

いや、恋や愛なんかでは片付けられない仲になっていた。 


でも、人に全く興味がなかった彼のとても心躍る描写が書かれている。 

一刻も早く桜良と会いたい。会いたくて仕方がない。 


「可愛い格好していくから、楽しみにしててね」と桜良からメールが届く。 

きっとその桜良の姿は、クラスで3番目ではなく、1番目に可愛い姿だろう。

彼の中では、もう1番目だ。 


しかし 


彼と桜良が会う事は二度となかった。 

彼女は来なかった。 


想像を絶する形で桜良は死んでしまった。 


これを先に予測するのは、不可能だと思う。 

もし、出来たら超能力の才能があるので、

すぐにアナタはマジシャンかエスパーとしてデビューすべきだ。 


僕もその場面に出くわした時、

「嘘だろ・・・」とカフェの店内で思わず 声を出してしまった。 


実は伏線は張られていた。それも結構さりげなくだ。

でも、後々読み返すと凄く考えさせられてしまう。 


場面は冒頭の山内桜良の葬儀のシーンに戻る。 


その葬儀に行かなかった彼であったが、

彼女は共病文庫に何を書いていたのか??

そして、それを持ち、彼はある人と待ち合わせをする。 

感動、そして、爽やかなエピローグ。 


【君の膵臓をたべたい】その意味に僕は涙した。 

なんて、素適な二人なんだろうと思った。 


<<価値観の多様化の推進、それが、この作品の肝なのではないのか??>> 


この本の全体を通して思ったのが価値観というモノだった。 


僕らは世の中の常識に縛られて生きている。 

勿論、ルールとして、守るべき事は沢山ある。 


だけど、その常識というモノが

実は最も非常識である事に近年は個々が気が付いてきている。


 例えば、この<君の膵臓をたべたい>このタイトルから 

羊達の沈黙・ハンニバル的な猟奇殺人が行われる作品だと思った人が意外に多かった。 


でも、これを手に取るか、どうかは 

常識をどう捉えているのか??にも繋がってくる気がする。 


それには勇気がいるし、それを試されている気もする。 

だから、これを迷いなく手に取って読んだ人が65万人もいる

事実はとても嬉しいし、この先の未来に期待が持てる。 


 僕の中では、XXX君(ラストに彼の名前が明かされます)と桜良の 

関係は恋人でもなく、大人な関係でもなく、友達でもなかった気がする。 


そう、仲良しという関係だ。 


 男と女の関係性に関して、以前、僕はこのブログの中で 

<推しとの関係性とは??>という題で書いた事がある。 


ある種、どこのジャンルにも属さない新しい男女関係の形だと説いたが、 

僕の周りの人はそれを話しても中々理解してくれない。 


でも、この作品を通して、

こういう関係性ってありなんじゃないか?? そう思わせてくれる。


それは恋愛だけじゃなく、人生も。 


昼間から焼肉に行こうとする桜良に彼は、

まだ昼だよ??と問いかけるが、 


<昼と夜で味が違うの??>と返す。 


さりげないが、固定概念を一発でぶっ壊してくれる清々しい一言だった。 

価値観や概念というモノ、改めて考えさせてくれる作品でもある。 


<<エピローグ〜余韻の理由〜それは、『気づいた事』>> 


エピローグを読み終わり、止まらない涙を拭いた僕は 

その余韻について自問自答していた。 


 正直、最初の数日はそれが分からなかった。 


でも、原段階の時点で出たその余韻の結論は【気づいた事だと思う】 

それは、必ず、死がやってくるという事に気づかされたという事だ。 


そして、人は誰もが死ぬ様には見えないが、必ず死ぬという事。 


 <<いつでも死が隣合わせにある事を考えて生きていく必要がある>> 

<<今日が人生最後の日だとして、自分がこれからやる事は本当にやりたい事なのだろうか??>> 

あのApple創設者のスティーヴ・ジョブズもそう語っている。 


そうだった、俺も死ぬんだった。 

そして、仲のいい友達、家族、親、恋人、仲間、好きなアーティストやアイドル。 

皆、いずれ死んでしまうという事に気がついた。 


明日が来ると思い込んでいた僕はそれに気づかされたのだ。 

明日が来ると思ってるのは思い込みで、明日が来るかどうかなんて誰にも分からない。 

それに気づかされた。 


それを教えてくれたのは、山内桜良という女の子だった。 


この本に出会えた事。そして山内桜良に出会えた事を誇りに思う。 

本を閉じ、改めて表紙を見る



本当に美しい表紙だ。


loundraw(@loundraw)さんの作品は 

この本をきっかけに大好きになった。 


僕はこの表紙の場所も気になるが、それよりも時間軸のが気になった。 

この満開の桜という描写は本文には出てこないしね。 


なので、勝手に出会ってから1年後の設定なのでは??

と思っている。あくまで個人の勝手な思いだが。 


彼の願いが届き、彼女の病気が奇跡的に治って、きっと、

また桜良の提案で彼はここに連れて来られたのかもしれない。 


彼女は遠くを見ていて、彼は文庫本を読んでいる。 


読む前と読んだ後では、この表紙の2人が全く違って見えてくる。 

でも、この2人の関係性を見事にイラストにした素晴らしい表紙だと思う。 


随分、長く書いてしまった。 


衝撃の展開、共病文庫に書かれていた事、

そして、彼の思いが溢れるエピローグはアナタの目で確認して下さい。


このブログを書きながら、食べていたコンソメのポテトチップスと

梅酒ソーダがそろそろ終わりそうなので、この辺にしておこうと思う。 


住野よる先生にまずは敬意を表したい。 

素晴らしい作品を読ませて頂き本当にありがとうございます。 


そして何でも無い日常は、実はとてつもなくキラキラしているんだよ! 

と笑いながら、僕に気づかせてくれた人。 


 山内桜良にこのブログを捧げます。      

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